新型コロナウイルスの感染が日本でも広がってきています。出来る限り必要のない外出は控え、今まで以上に人との接触に気をつける時ですね。そんな時は自宅でゆっくり読書でもいかがでしょうか?
原田マハ「楽園のカンバス」
ニューヨーク近代美術館のキュレーター、ティム・ブラウンはある日スイスの大邸宅に招かれる。そこで見たのは巨匠ルソーの名作「夢」に酷似した絵。持ち主は正しく真贋判定した者にこの絵を譲ると告げ、手がかりとなる謎の古書を読ませる。リミットは7日間。ライバルは日本人研究者・早川織絵。ルソーとピカソ、二人の天才がカンヴァスに籠めた想いとは――。山本周五郎賞受賞作。
引用:新潮社
絵画に興味のある方にはぜひともオススメ!フィクションとノンフィクションが融合した作品で、一気に引き込まれます。
原田マハ「暗幕のゲルニカ」
反戦のシンボルにして20世紀を代表する絵画、ピカソの〈ゲルニカ〉。国連本部のロビーに飾られていたこの名画のタペストリーが、2003年のある日、突然姿を消した――誰が〈ゲルニカ〉を隠したのか? ベストセラー『楽園のカンヴァス』から4年。現代のニューヨーク、スペインと大戦前のパリが交錯する、知的スリルにあふれた長編小説。
引用:新潮社
同じく原田マハの作品。ゲルニカを題材に、独自の切り口でアプローチしてくる発想力がすごいです。
赤川次郎「三姉妹探偵団シリーズ」
タイプの違う美人三姉妹を突如襲った火事騒動。辛うじて逃げ出したものの自宅は丸焼け、しかも焼けあとから若い女の全裸死体が出てきて、姉妹は呆然となる。頼るべき父親は出張中なのだ。若い女はいつ屋内に入っていたのか?魅力的な三姉妹が各自の特徴を生かして活躍するユーモアミステリの決定版!
引用:講談社
まだ本を読む習慣がなかった頃、よく読んでいたのが赤川次郎の作品でした。会話形式の文章が多く、読みやすく親近感が湧きやすいのが特徴です。本が苦手な人でも、特に読みやすいのがこの三姉妹探偵団シリーズ。長編なので引きこもるにはもってこいです。
三島由紀夫「潮騒」
文明から孤絶した、海青い南の小島――潮騒と磯の香りと明るい太陽の下に、海神の恩寵あつい若くたくましい漁夫と、美しい乙女が奏でる清純で官能的な恋の牧歌。人間生活と自然の神秘的な美との完全な一致をたもちえていた古代ギリシア的人間像に対する憧れが、著者を新たな冒険へと駆りたて、裸の肉体と肉体がぶつかり合う端整な美しさに輝く名作が生れた。
引用:新潮社
とにかく美しい。情景や海の香が漂ってくるような小説。これは読んで貰わないとわからないかもしれませんが、とにかく情景が目に浮かんでくる作品です。
小泉文夫「音楽の根源にあるもの」
小説ではありませんが、民族音楽学者の小泉文夫さん著。集団で農耕生活をおくる民族の音楽と、狩猟などを単独で行う民族の音楽の違いなど、小泉文夫さんが自ら世界各地を周った経験から書いたこの本は、音楽をやっている人にはぜひ読んでもらいたい一冊です。
読書は作品作りにとても役に立つ
読書は想像力を豊かにします。曲作りも想像力です。楽しみながら想像力が膨らんでゆく読書は本当におすすめです。僕はもともと本を読まなかったのですが、師匠に読書を強く勧められたのがきっかけで本を読むようになりました。
曲作りをしていると、テーマをいろいろな角度から検証する必要があります。その時に想像力が乏しいと検証も浅くなってしまいます。
また、限られた人生の中で経験できることには限りがあります。色々な経験をするにはお金と時間もかかります。でも読書を通して色々な人物と出会い、色々な考え方を知り、色々な世界を見ることが出来ます。
そうした出会いが自分の作品に深みをもたらしてくれます。この年になってようやくわかってきたのですが、読書を通して培ってきた経験は間違いなく作品に反映されています。
不要不急の外出をひかえた方が良い時期だからこそ、読書で自分の人生を深められるチャンスなのではないかと思います。
それでは!
À bientôt.