MPNから前倒しで分配金が振り込まれた!

3月末に突然MPN一般社団法人演奏家権利処理合同機構)から著作隣接権使用料が振り込まれました。毎年6月と12月に振り込まれるはずの著作隣接権使用料、「なぜこの時期?」と思ったのですが、どうやら前倒しで振り込まれたということがわかりました。

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MPNとは?

アーティスト・ミュージシャンに著作隣接権使用料・報酬等の分配を行っています

●アーティスト・ミュージシャンの方々と、著作隣接権等に関する管理委託契約を結んでいます
●管理委託契約を結んだアーティスト・ミュージシャンについて、使用料・報酬等を受領・徴収しています
●管理委託契約を結んだアーティスト・ミュージシャンについて、使用料・報酬等の分配を行っています

アーティスト・ミュージシャンの実演情報(演奏記録データ)を収集・管理しています

●インターネットを利用して実演情報の提出・収集・管理ができるシステム「P-LOG」を運用しています
●MPN会員から提出される実演情報の受付・管理を行っています
●東京音楽事業者連盟をはじめとするコーディネーター事業者等の協力により、実演情報の収集・管理を行っています
●レンタルCDに関する参加実演家調査をしています

出典:MPN

アーティストやミュージシャンに著作隣接権使用料などの分配を行っている団体です。自分が演奏した楽曲が販売・放送・再使用されたときにMPNが一括で管理・分配をしてくれています。

CDやサントラ、DVDなどの媒体で自分が演奏している場合、実演家として著作隣接権使用料を受け取ることができます。

著作隣接権とは

著作物などを人々に「伝達した者」に与えられる権利のこと。
作詞・作曲などの「創作した者」に与えられる「著作権」と名前が似ていますが、異なる権利です。(ただし、広い意味の「著作権」では「著作権」と「著作隣接権」両方を含みます。)
日本では、「実演家」「レコード製作者」「放送事業者」「有線放送事業者」に与えられています。

著作隣接権は、「実演」などが行われた瞬間に自動的に付与されるのが国際的なルールですので、申請や登録の手続きは必要ありません。

ミュージシャンであれば、CDをレコーディングしたり、放送のために演奏した時などに権利が生まれます。

出典:MPN

僕の場合、歌ものやサントラでギターを弾いているためMPNに著作隣接権使用料を受け取る登録をしています。主にミュージシャンの方が登録している団体ですが、アレンジャーとして自分のアレンジ曲中で演奏している人も登録することができます。

今回の振り込みについて

MPNから届いたお知らせには次のようにありました。

 ご承知の通り、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の影響による公演中止・延期などが、アーティストやミュージシャン、スタッフ、それを支える企業・団体に深刻な打撃を与えています。中止・延期となった公演に参加予定であったアーティストやミュージシャンの方々は、小中規模の事務所、あるいは、企業・団体に雇用されないフリーランスとして活動していることが多く、引き続き公演が行われない事態となれば、生活そのものが成り立たなくなることが危惧されます。経済産業省による中小企業支援「セーフティネット補償制度」をはじめ、政府による資金繰り支援や緊急融資等の施策が発表されていますが、緊急性の観点から十分とは言えない状況です。

 MPNは音楽実演家の権利処理に特化した団体であり、会員の皆様おひとりおひとりの日常業務に関連してお手伝いできることはごく限られておりますが、前途のような状況に鑑み、本年6月に予定しております2020年前記分配にて発生予定の分配金額の9割相当の金額を、仮払金としてお振込いたします。

要約すると、政府が発表した施策では不十分でしょうから、6月に振り込む予定の9割を前もって振り込みますよ、というものです。

ミュージシャンの方たちは公演が中止になり、突然収入が絶たれてしまいました。そんな時にMPNの行動は迅速で、ミュージシャンの立場に立った考えのもと運営している団体だということがよくわかります。

日本における文化・芸能の位置づけの変化

アーティストやミュージシャンへの支援を叫ぶ声が高くなっている今、以前とは違う流れを感じています。

東日本大震災のとき、アーティストやミュージシャンは自粛を求められました。厳密に言うとエンターテインメント全般が相応しくないものという空気が流れ、実際に中止・延期になる公演や制作がたくさんありました。僕も製作中の案件が全てストップし、3ヶ月収入がなくなり楽器を売って凌ぎました。

でも今回の新型コロナ禍では、音楽の力やエンターテイメントによって生きる勇気をもらえる、元気づけられるという声を聞きます。人と人との接触を制限しなければならないという状況では、音楽やエンターテイメントによって繋がり感を再確認したいという欲求があるのではないかと思います。

時間を忘れて見入ってしまう〜One World: Together At Homeコンサート

特に音楽に関しては、感動の共有によって繋がっている感を呼び起こさせる力があると感じます。以前にも増して。おそらく世界中の人達が「自粛」という境遇を同時体験していることが大いに関係しているのだと思います。なので、同じ曲を聴いて同じ感動を共有しやすくなっているのだと思います。

今までは「あったら良いけど緊急時には無くても困らないもの」とされてきたエンターテインメントも、今は生きる支えとなっているようにも思われます。僕たちクリエイターに今できることは、そんな人たちに向けてより良い作品を作ることだと思います。ステイホームで。

そんな中、アーティストやミュージシャン・クリエイターを支えてくれているMPNのような団体の存在は本当に有り難いものです。

それでは!

À bientôt.

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