聴こえている音色(おんしょく・ねいろ)を言葉で表現するという行為はその大半が無自覚です。今回はその無自覚で表現している『音色を表現する言葉』を解析してみたいと思います。
こもっている
ZOOMなどで相手の声に対して使うことが多い「こもっている」。こもっている音色とはどんな時の音なのかというと、
- EQやフィルターで広域の成分がカットされている時
- マイクと音源の距離が遠い時
- アイクと音源の間に障害物がある時
などがあります。ということはこもらないようにしたいときは
- EQやフィルターで広域の成分をカットしない
- マイクと音源の距離を近づける
- アイクと音源の間の障害物をどかす
これで解決します。シンセや打ち込みの音に対して使われるときは「こもっている」という表現をしないように思います。
シンセサイザーであればマイクと音源までの距離は存在しません。むしろ「こもらせる」事はあっても最初からこもっている事はありません。
サンプラー(ロンプラー)は音源をマイクで録音(サンプリング)しているため距離感は関係してきます。ただ、障害物が入ることはまず無いのと、基本的にこもらせないように録音するため最初からこもっていることは少ないと思います。
硬い
目に見えないもののはずなのに硬さが存在するとは面白いですね。でも実際に使われることは多いと思います。硬い音とは
- 細い音であることが多い
- 低域が少ないことが多い
- マイクと音源の距離が近い状態
- 強く演奏した時
などが挙げられると思います。まず、硬い音は細い音であることが多い気がします。細い音は低域が少なめな音であることが多いので、低域が少ない音も硬い音になりえる確率が高いのかもしれません。
マイクと音源の距離が近いためアタック成分が多く収録されることも関係します。
強く演奏したときも硬くなります。ピアニッシモで硬い音というものは存在しないですね。
シンセサイザーの場合はまた少し違ってきます。細い音・低域が少ないというのはほぼ共通化と思いますが、マイクとの距離は存在しません。強弱はボリュームの大小なので硬さには直接つながりません。
シンセサイザーは、オシレーターが複雑にユニゾンしていて倍音が多く含まれていることと、重心が上にある音の時に固くなるのではないかと思います。今度作ってみようと思います。
伸びがある
音の長さのことではなく音色の「伸び」とはどういう表現なのか、、、それはきっと「伸び・広がり感を想像させる音」ではないかと思います。
では「伸び・広がり感を想像させる音」とはどんな音かというと
- 雑味のない西洋の楽器に多い(ピアノ・ストリングス・フルートなど)
- サスティーンはあまり関係ない
- リバーブがかかっている
- 中高域の音域の成分が多い、低域はあまり関係ない
- 硬くない音
雑味のない音は西洋の楽器に多く、日本の楽器などは雑味を「味」とする楽器が多いのが特徴です。フルートと尺八、ハープと琴などを想像してもらえると和明るかと思います。
雑味のある音にも「伸び」という表現が当てはまりますが、多くは雑味がないくせのない音に用いられることが多い気がします。
リバーブも音もクリアであればあるほど「伸び」というニュアンスが当てはまります。リバーブに雑味が乗らない楽器を使うほうが伸びを感じます。
硬い音は伸びよりも硬さに耳が行ってしまいます。ですので伸びのある音を目指したいときはある程度硬さのない音色のほうが向いているかもしれません。
他にも音色を表現する言葉がたくさんある
湿った音・歪んだ音・シャリシャリした音・キラキラしている音、太い・細いなど他にも沢山あります。
その言葉の奥にはいくつもの要素が組み合わさっていて、その配分で聴こえ方と表現が変わってきます。
人によって表現も違い、人種によっても違ってくると思います。今日のところはこのくらいにして、なにか分類できるようなキッカケを待ってみようかと思います。
何かしらの法則があるように感じた検証でした。
それでは!
À bientôt.