パリの街をノンストップで爆走しているだけの短編映画
パリ出身のフランス人クロード・ルルーシュ監督による短編映画。代表作は1966年カンヌ国際映画祭パルム・ドールとアカデミー外国語映画賞を受賞した「男と女」。スポンサーがなかなか付かなくて、自主制作だったらしいです。そして、翌年の1977年に公開されたのが今回取り上げるC’était un rendez-vous(ランデブー)
早朝のパリの街をノンストップで爆走する映像。セリフは一切なし。撮影にあたって許可は取っておらず、公開と同時に監督は逮捕されたそうです。無茶苦茶ですね。
ドライバーは監督本人とのことですが、F1ドライバーだという説もあります。本人のインタビューでは「自分がハンドルを握っている」と言っているそうなので、本人で間違いないのかと思います。
またそのインタビューで、撮影は監督の所有するフェラーリ275GTBではなく、メルセデスベンツ450SEL6.9で、フェラーリのサウンドは後から載せているとの話もあります。どちらにせよ450SEL6.9に搭載されたエンジンはメルセデス・ベンツの乗用車用エンジンでは戦後最大級。真相は明らかになっていませんが、迫力のある音、作品には変わりありません。
動画を見てみよう
9分ほどの短編映画です。
実際に走ったルート
パリの周りを走っている環状線のブローニュの森あたりをスタート、凱旋門のあるシャルル・ド・ゴール広場を通り、シャンゼリゼ通りをコンコルド広場方面へ。セーヌ川沿いを走りルーブル美術館カルーセル広場を通り抜けオペラ座方面へ。その後狭い道を走り抜けモンマルトルにあるサクレクール寺院前に到着。10.42kmを7分57秒で走っているので平均時速78.64kmだそうです。
ちなみにグーグルマップによると、普通に車で走ると32分かかるそうです。当時と今では、一歩通行などの変更があるので、全く同じルートは走れません。ルーブル美術館の中を通る道は、今ではバスとタクシーしか入れなくなっています。
今となってはこんな作品作れませんが、とんにかく情熱を感じますね。何度見ても飽きない作品です。
それでは!
À bientôt.