作品を作る時に一番大事だと思っていること、それは意図に見合った方法を選択できているかということです。僕はこれを「意図と方法」と呼んでいます。
A地点からB地点へ移動するには、、、
「B地点へ移動する」という目的(意図)を達成するためには、選択肢(方法)は複数あることがわかります。正解はひとつではありません。どれを選択しても目標が達成できれば良いのであって、歩かなければいけないとか、電車に乗ってはいけないというルールは存在しません。
これを図にすると次のようになります。
意図に対する方法は色々あります。どれを選択しても意図が達成できていれば良いのです。
これが意図と方法です。
これを制作に当てはめてみると、、、
表現したいものに対しての手法が沢山あることがわかります。言い換えれば、どんな手法を使おうが表現したいものが表現できていればよいのです。
必要以上のこだわりや固定観念があると、いつの間にか手法にこだわってしまい、表現したいものが表現できなくなってしまう時があります。
楽曲アレンジを例に取ってみると、、、
例えば「スピード感を出したい」という意図があるとします。それに対する方法が複数あることがわかります。
4つ打ちのKickを入れるとスピード感を感じる事もあれば、16分音符のフレーズを盛り込むことでスピード感が出る時もあります。パーカッションを入れるという選択肢もありますし、テンポそのものを上げるという方法も存在します。もちろんこれ以外にも沢山の方法が存在します。
先の「A地点からB地点へ行く」選択肢が複数あったのと同じように、スピード感を出すための選択肢は複数あります。
どれを選択しても良く、逆に全て試してみて選択するという事もできます。色々やった結果スピード感を出すには〇〇だ!となることもあるでしょう。逆にひとつの手法を試しただけでスピード感を出せるかもしれません。
大事なのは意図であって、手法は選択肢でしかないのです。
手法にこだわってしまうと、、、
手法にこだわってしまうと、意図の部分に方法が入るため、別の方向に行ってしまいます。例えば、、、
となります。もちろん間違ってはいませんが、「スピード感を出したい」という意図とは違うものが表現されています。このズレが起きた時に「意図は何だっけ?」と立ち返ることで、手法が適切なのかどうかを確かめることができます。
行き詰まった時ほど原点に立ち返ってみることが大事です。そんな時に「意図と方法」という視点を持ってみることによって、行き詰まりから抜け出すことができます。
それでは!
À bientôt.