より身近になった音楽配信
以前の記事でも書きましたが、サブスクリプションサービスの充実により配信業者も増え、配信するという行為のハードルが下がってきました。プロアマ問わず自分の楽曲を世界中に簡単に配信できる時代です。
その時に必要になってくるのが、配信サービス(AppleMusic,Spotify,AmazonprimeMusicなど)とアーティストの間を取り持つなアグリゲーター(配信登録代行業者)が必要不可欠になってきます。配信するにあたり必要な手続きを代行してくれる業者といいますが、僕が選んだのはカナダのLANDR
日本にもいろいろな配信業者があるのですが、僕がなぜわざわざこのカナダの業者をえらんだかといえば
- ISRCコードを無料で発行してくれる
- 登録料は4,800円/年で、曲数無制限。(他のプランも有り)
- 売上の100%がアーティストに入る
- AIによるオンラインマスタリング機能
- 海外向けのリリースに強い
- Beatportにリリースできる
などがあげられます。いくつか抜粋して説明していきましょう。
ISRCコードとは
「International Standard Recording Code」の略称で、日本語で「国際標準レコーディングコード」といいます。
レコーディング(オーディオレコーディング及び音楽ビデオレコーディング)の識別に利用される唯一の国際標準コードです。ここで言う「レコーディング」とは「収録及び編集の作業によって得られた成果」をさし、バージョン違い(リミックス)やタイム違いをはじめとする「視聴覚的に識別できるもの」は全て異なるレコーディングとして扱われます。
1つのレコーディングは1つのISRCによって識別されます。異なる複数のレコーディングに同一のISRCを付けたり、単一のレコーディングに複数のISRCを付けたりすることはできません。また、一度付番したISRCを変更することはできません。
日本レコード協会より
ISRCコードとは、1曲ごとに付与される12桁の英数字の識別番号です。
どんな時に使われるかというと、テレビやラジオなどの放送でその楽曲の一部分が使われた時や、ダウンロード販売やストリーミング配信された時、ISRCコードを使って管理されています。
このISRCは居住国で取得する規定で、僕の場合パリに住んでいた頃に取得の必要がありました。日本レコード協会を通じて取得しよう調べた結果、必要書類として住民票の写しと印鑑証明(3ヶ月以内、コピー不可)がありました。パリに移住するにあたり海外転出届を出しているので住民票が日本にありませんでした。たしかFAXでのやりとりもあったと記憶しています。
ということで絶望的な気持ちになっている時にLANDRを知りました。LANDRはこのISRCの発行が海外からでもできて、しかも無料だということがわかりました。
日本レコード協会を通して取得する場合1曲につき330円かかります。一度取得すると永続的に維持されます。
TUNECOREでは配信期間によって値段が変わってきます。シングル1曲1,410円/年〜アルバム4,750円〜となっていて、期間が伸びると少し安くなります。
シンプルな料金形態と柔軟性
年4,800円で曲数無制限、ISRC発行無料、売上の100%がアーティストに入る。という、とてもシンプルな料金形態です。
配信するたびにリリース期間は何年間にしよう?と考えなくて済みますし、それなりの曲数を配信しようと考えているならばISRC発行にかかる金額も比較する必要があります。
年間15曲以上配する予定があるならLANDRが安いです。また、30曲程度の配信なら2,400円のプランもありますし、様子を見て上のプランに変更することもできるので柔軟性もあります。
ほかのポイントにも注目
AIオンラインマスタリングとは、楽曲ファイルをアップロードするだけでその曲に最適なマスタリングが行われる仕組みです。まだこの機能を使ってリリースはしていませんが、配信サービスごとにダイナミクスレンジの扱いが違うためある程度の知識と経験が必要になってきます。このAIサービスならそこまでふまえたうえで調整している可能性もあるので試す価値はあると思っています。
Beatportへのリリースを扱っているところは少ないようです。BeatportはDJが楽曲を購入する時に使われているサービスで、僕もよく使っている。12万曲以上ダンスミュージックが購入できるサービスに配信できるのは他にはないアドバンテージだと思います。
ブログもとても役に立つ情報が書かれており、ハッとさせられるような記事に出会うことがあります。とても重宝してます。
ユーザアナリティクスも装備
これはどの配信業者も備えていると思いますがとても大事な機能です。LANDRのものは簡易的な機能しかありませんが、国や視聴形態再生回数が毎日更新されます。
収益も1曲ことに集計され、エクセルフォーマットで詳細もダウンロードできます。コラボレーションや作詞家作曲家への分配のときなど必要不可欠な機能です。
配信先は海外?それとも日本?
というわけで、僕にとってはとても使いやすいLANDRですが、配信先をどこにするかが一番のポイントだと思います。僕の曲はインストゥルメンタルが多いのとテクノ系なので日本のマーケット向きではありません。実際Spotifyのリスナーのほとんどがドイツ・ベルリンです。日本のユーザの10倍です。今までリリースした楽曲のほとんどがテクノなのでなるほど頷けます。
もし日本での配信を考えているのであれば断然日本の業者を選んだほうが良いと思います。目先の料金形態だけにとらわれず、自分の曲をどんな人に聴いてもらいたいのかをしっかり定めることが重要だと思います。
それでは!À bientôt.