毎日LUNAをさわりながら「現状、何ができて何ができないのか?」を確かめている最中です。またひとつ明らかになったのが現バージョン(Version:1.0.6.1658)ではサイドチェインが機能しないことがわかりました。
ボコーダープラグインのサイドチェインモードが使えない
氷川きよし「キニシナイ」でも大活躍だったiZOTOPE「VocalSynth2」やWAVES「OVox」のサイドチェインモードが使えないことがわかりました。
サイドチェインモードとは、ボコーダーをインサートしたオーディオトラックの音声(モジュレーター)を外部シンセの音(キャリア)でシンセサイズする機能です。
MIDIモードの場合はボコーダーに内蔵されているシンセをキャリアとして使います。
両プラグインとも、MIDIモードでも多彩な音作りができるのですが、外部シンセを使った音作りは更に幅が広がります。ですのでサイドチェインモードが使えないのはちょっと痛いのです。
MIDIモードでは使える
結論から言いますと、2つのボコーダー共にMIDIモードであれば使えることがわかりました。ルーティングは次の画像のとおりです。
黄色のトラックがInstrumentトラック(=MIDIトラック)でMIDI Outをボコーダートラックに指定してあります。ただこれだけです。
どうやらMIDIのルーティングは有効らしい
内部的なオーディオ信号のルーティングはBUSのみのようですが、MIDIのルーティングはもう少し自由度があるようです。
サイドチェインコンプレッサーと同じような効果を自動でやってくれるプラグインXFER RecordsのLFOtoolとNICKY ROMEROのKICKSTARTを多用するのですが、これらもMIDIでのリトリガーは使えました。
基本的に4つ打ちのkickのタイミングで使うことを前提とされていますが、MIDIでリトリガーしてあげると4つ打ち以外のタイミングでサイドチェインコンプを掛けることができます。
LFOtoolは自分で任意のボリュームカーブを設定できます。他にもフィルターのカットオフレゾナンス、Panにもカーブを適応することができます。
MIDIトリガーモードを有効にするには「Note Retrig」にチェックを入れることで有効になります。
KICKSTARTは予めボリュームカーブがプリセットされています。LFOtoolに比べシンプルです。サイドチェインコンプだけであれば十分です。
MIDIトリガーモードを有効にするには歯車マークをクリックします。
するとRetrigger optionsの画面が出てきます。AUプラグインとしてインサートしている場合はIAC Driver busでのみ受け付けるようです。
バージョンアップを待つしかない
こればっかりは待つしかないようです。要望も出してみますが時間は掛かるでしょう。無料でここまでやってくれるのであまり文句は言えませんが、このDAWは有料でも良いんじゃないかと思うクオリティです。末永く使いたいので有料でも良いので開発に力を入れてほしいと思いました。
サイドチェインだけでなくプラグインのオーディオ信号のルーティング全般が無効なので、ドラム音源のパラアウトも現状はできません。
とはいえボコーダーとしては十分使えるので上手いこと対応してゆくしかなさそうですね。もう少し使い込んでみます。
それでは!
À bientôt.