古き良き名車を今の技術で蘇らせる「レストモッド」〜音楽をレストモッドしてみよう

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時代を超える古き良きデザイン

僕は車が大好きです。走ることも大好きですが、車のデザインに惹かれます。今どきの車も好きですが往年の名車のデザインは何時間でも眺めていられます。なので、新型が発売されるたびに「なぜ昔のデザインを今の技術で蘇らせないんだろう」と思うこともしばしば。

車の世界にはレストモッドという言葉があるのですが、これは「レストア+モディファイ」の造語で、古い車をレストア(修復)する際に、新しい技術を取り入れモディファイすることをいいます。デザインはそのままエアコンやエンジンを載せ替えたりしてメンテナンス面や耐久性、環境面で扱いやすいように改善することをいいます。

この技術によって古き良きデザインのまま、快適に普段乗りも出来るようになるのです。

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音楽にも言える事なのか、、、

もしかしたら音楽についても言えることなのではと思っています。新曲が出るたびに「なぜ昔の曲を今の技術で蘇らせないんだろう」と思う人もいると思います。

僕は作る側なので客観的に見ることは難しいのですが、車に感じたことと同じことを感じてもおかしくありません。「新曲もいいけどさあの曲を今風の音で聴いてみたいんだよね」みたいな。「新車もいいけどさ、あの車に今の技術で乗ってみたいんだよね」と思うのと構造は同じだと思います。

しかし、新しいものを作ることが自分の仕事だと思っていますし、これから先も新しいものを作り続けていくと思います。この記事を書いている今日も新曲を作りました。それが当然のことで使命だとも思っています。

もしかすると車のデザイナーも僕と同じように新しものを作ることが当たり前で、それが使命と思っているのではないでしょうか。

ユーザーと創り手の目線の違い

長年モノを創っていると、どうしてもユーザー目線が無くなってくるものだとも思います。しかし、自分の得意とする分野を離れて1ユーザーになると気づくことがたくさんあります。

例えばレストランに行った時、ホテルに泊まった時、タクシーに乗った時、誰かの作品を見た時などなど、ユーザーになる瞬間はたくさんあります。

ニーズとシーズのズレはどの業界にもありますが、自分の業界のことは盲目的になってしまいがちですよね。レストモッドをすることでニーズを満たせるかどうかは別の問題ですが、僕自身が他のジャンルに求めるニーズを、自分のジャンルに置き換えてみる実験だと捉えています。

何を土台に持ってくるか

レストモッドを施す時、ここが一番大事なポイントになってくる思います。何でも良いわけではないですし、現代の技術を導入し難いモデルもあると思います。車の例で言えばスバル360にプリウスのハイブリッドシステムは入らないでしょう。

僕の場合で言えばダンスミュージックのビートを混ぜられる曲が大前提となります。ジャズだとちょっと跳ね方が違うので最適でななさそうです。クラッシックの方が土台には良さそうです。そこで候補に上がったのがこちら。

JSバッハ、チェンバロ協奏曲第1番 ニ短調 BWV1052 第1楽章(Harpsichord Concerto No.1 in D minor, BWV 1052)

音楽のレストモッドはこうなる

チェンバロのラインとストリングスはそのまま活かし、テンポを上げてリズムとベースを入れました。Acidハウスで多用されているローランドの名機TB-303のリバイバル機TB-03をチェンバロとユニゾンさせたりオリジナルのラインを走らせたりと、この曲のポイントになっています。

タイトルにはRemixと付いていますが、この曲を作った2016年にはレストモッドという言葉を知りませんでした。でもコンセプトはレストモッドでした。

クラッシックに馴染みがない人でも聴きやすく仕上がったと思います。少なくとも僕は聴きやすくなりました。今出来ることがあるとしたらマスタリングをし直すことですね。今どきの機材を使うと全然仕上がりが変わりますから。近々アップしてみたいと思います。

TB-303を現代の技術で蘇らせたTB-03を使って仕上げた。

音楽のレストモッド、最近はオリジナルばかり作っているので久しく手掛けていませんが、いつかまたトライしたいと思います。

それでは!À bientôt.

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